From 街角の吟遊詩人 Master 時雨
第二話
浮かぶ雲の行方は恋の行方
ボーっと縁側に座っていると、頬にいきなり冷たい物が触れた。
暑い日差しの中で熱を持っていた山崎の頬は、その冷たさに過敏に反応する。
驚き振り返れば、そこには意中の人がたたずんでいた。
「なにしてんでぃ。」
手にもったコーラの瓶は、この熱さに汗をかいている。
しかしそれをもった人物は、汗を一つもかいていない。
そんな少し不気味なところが、沖田にはあった。
「くれるんですか、それ。」
「まさか。これは俺のでさぁ。」
そのまま冷たいコーラを飲み干す喉を見て、違う欲求が出てきた。
動く喉仏は、少しだけ汗をかいている。
山崎は、沖田と身体だけの関係はある。
そこではしぶしぶ女役をやってはいるが、山崎も所詮は男。
艶やかに動く喉を見て、山崎も喉を鳴らす。
熱さで山崎の頭はおかしくなっていた。
「おいしそうですね…。」
呟いた言葉は、しっかりと沖田に届く。
にや、と沖田がドSスマイルで山崎を見た。
「どっちがですかぃ?」
山崎は素直に答えた。
貴方に欲情してました、と。
すると沖田は笑い、その場を去ってしまった。
「…おかしいなぁ。」
馬鹿にされる予定だったのに、彼はその言葉をまじめに受け取ったようだ。
真っ赤になりつつ、笑ってごまかしながら走り去る少年は、青年と言うにはあまりにも幼かった。
雲のスピードが、早くなる。
流れているそれを見て、山崎も顔が熱くなるのを感じている。
自分も、青年と呼ぶには少し早いようだ。
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片思い2話目。
はい、実は両思いでした、というオチに持っていきたい。
しかし、あと3話もあるのにどうしましょうか。