ずっと暗闇を歩き続けてきた人間は、瞳孔の閉じ方を知らない。
それと同じように、ずっと人間の闇を見続けてきた人間は光を見ない。


閉じる必要が無い、見る必要が無い。


暗闇に生れたなら、その世界で生を全うするまで。
拳銃で撃たれれば、撃ちかえすし。
ナイフを投げられれば、投げ返すし。
毒を盛られれば、盛り返すし。


そんな真っ暗闇に光が降りれば、ソコで生きていた人間の目は焼きただれてしまう。
それを嫌がる人間は、光をもみ消す。
…また、世界が暗く重い闇に支配される。


要するに、光を発することが出来る人間は、この世界にいらないのだ。


ふと顔を上げれば、太陽が自分の目を焼く。
こいつだけは、こいつだけはもみ消せない。
いくら手を伸ばしたって届かないし、届いたところで焼き尽くされるのは、こちら側。


手に入れたい、と渇望しながら、それが達成できなくて、ひたすらに憎む。
そんな子供のようなことを始めて、もう10年経つ。


自分に良く似合う、漆黒をまとい。
自分に良く似合う、漆黒を梳かし。
自分に良く似合う、紅を触る。


今日も、自分は生きている。

 

この世には、夜兎と言う種族が居る。
万事屋に居る少女も確かこれだった。


太陽をひたすら嫌う、夜を渡る種族。
最強の、傭兵部隊。
自分もこれなのかと思う瞬間はある。


光は嫌いだ、戦いは好きだ、人は嫌いだ、闇は好きだ。


しかし、夜兎は同族を愛するらしい。
ならば自分は、いったい何なのだろう。


全てを嫌悪し、ただ黒を見続ける。
全てに嫌悪され、ただ黒の中に隠される。
なんて幸せな人生なのだろう。


なんて、救いの無い人生だろう。


襖が開いた。
直接太陽が降り注ぐ。
まだ少しほの暗いが、この光は間違いなく太陽だ。


もう一つ、太陽が襖から顔を出す。


自分を惨めだと確認させる存在。
自分を哀れだと確認させる存在。
自分を悪魔だと確認させる存在。


そんな、自分を愛する存在。


起きろと言われ、ただうなづく。
もうこの生活も10年だ。
永い、長い生活だったけど、短かった。


光が、差し込んでいた。


隣から、月も顔を出している。
淡い光を自分に当て続け、たまに厳しくその存在を隠すのだ。
あぁ、なんて綺麗。


漆黒の自分がまわりにいるのに、それに食われること無く輝き続ける。
月も、太陽も、星すらも、自分とともにあってくれないけれど。
彼らが自分に食われないことが、ただ、ただ、幸せなのだ。


闇をまとい、光をもみ消し、ただ歩き続けた俺に。
光を、差し込んで。
ただ薄暗いだけの部屋に、小さな窓を。

 


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はい、もう意味不明すぎて泣けますね。
どうしよう…もうネタすらない…


3月13日に日記を忘れたお詫びに上げたやつです、はい。
ほんとすみませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!
それもお詫び小説がこんなんとか何だよお前…(ぁ