あれだけ時が流れているのに君の笑顔は相変わらず綺麗だね
「お誕生日おめでとうございまさぁ、山崎。」
朝一で叩き起こされて、何かと思えばこの一言。
別にもうこの年にもなると誕生日なんか嬉しくも何ともない。
誕生日をお祝いされるくらいなら、睡眠時間のほうが大事なくらいには、だ。
「よくもありがとうございます。おやすみなさい。」
そうやって布団にもぐりこめば、沖田さんが不満げにため息をついた。
不満があるのはこっちだ。
こっちは昨日まで潜入捜査で、夜遅く、やっと帰ってこられたばかり。
なのに貴重な睡眠時間をぶっ潰されたのだから、文句の一つや二つは言ってもバチは当たらないと思う。
「眠いんです寝かせてください今何時だと思ってるんですか?」
「朝の6時でさぁ。」
「俺まだ寝てから2時間たってないです。」
「だからなんだって?」
「だから、寝かせてください。」
寝返りを打てば、目の前にドアップで美形少年。
さすがの俺でも、心臓が出てくるかと思った。
そのままびっくりして固まっていると、沖田さんはこちらに擦り寄ってきた。
…なんか、猫みたいで、可愛い。
頭を撫でれば、沖田さんは気持ちよさ層に身じろぎをする。
いつも寝坊をして土方さんにこっぴどくしかられている沖田さんだ。
きっと、無理して起きたんだろう。
「…ありがとう、沖田さん。」
「…おう。」
「じゃあ、俺は寝ます。沖田さんは好きにしてていいですよ。」
「…おう。」
沖田さんの口数が減ってきた。
相当眠いんだろうな。
そんなことを考えつつ、俺もまどろみに任せてそのまま寝ることにした。
「好きにしてていい、ねぇ。」
沖田が起き上がっても、山崎は起きる気配すらない。
やはり相当疲れているらしい。
沖田は気配を消し、山崎の顔を覗き込んだ。
「…かわいいなぁ。」
自分のことを棚に上げて、沖田は呟く。
そして、口の中で山崎の言葉を復唱した。
すきにして、いい。
「誕生日プレゼント…これで。」
静かに口付けると、沖田も布団にもぐりこむ。
暖かい体温で、彼が一瞬でも幸せな夢を見れますように。
すき、と呟けば、山崎は俺も、と寝言で返した。
こんな幸せな時間が、あと1時間。
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砂が!!
山崎お誕生日おめでとう!!
来年の誕生日もこのサイトで祝えるといいなぁ…(ぇ